成人式は振袖と言ってもどうして振袖なんだろうと疑問に思いませんか?
その理由をきもの伝承会で20年着付けの先生をしているベテランの先生にお尋ねしました。
振袖を成人式に着る理由は次の3つがポイントです。
① 未婚女性のが着るお着物であること
振袖は、その長い袖が「未婚女性の純潔さや若さ」を象徴しているとされています。そのため、結婚後の女性は訪問着や留袖など袖が短い着物を選ぶのが通例です。振袖が「未婚女性」の装いの第一礼装として定着しております。その為成人式の様な晴れの儀式には第一礼装としての振袖を着用します。
② 成人式の着物としての位置づけ
振袖は、本来未婚女性の第一礼装ですが、現在では成人式の際に初めて正式に着用することが多く、20歳の記念として特別な意味を持っています。そのため、現在では成人を迎えた女性が着る代表的な着物として位置づけられています。
③ 結婚を機に別の着物に移行
着物業界の常識では、結婚すると「既婚者らしい」装いが求められます。振袖は未婚女性のものとされるため、結婚を機に振袖を着なくなることが一般的です。結婚後は訪問着や付下げ、おしゃれさを出すには小紋や紬を着ることが増えます。
振袖はいったい何歳まで着られるでしょう?
振袖を着る年齢に関しては、「未婚」である限り年齢制限はありません。しかし実際には20代までが一般的です。30代以降になると、たとえ未婚でも対外的に表現できななるのが一般的です。本人自体が振袖を着る機会は少なくなりますが、卒業式や特別なイベントで未婚の女性が着ることはあります。また、個々の好みや現代のスタイルによって、年齢を気にせず振袖を着る人も増えてきています。
最近では、伝統的なルールにこだわらず、未婚か既婚かに関わらず振袖を楽しむ人もいます。ファッションや個人のスタイルが多様化しているため、振袖に対する年齢や立場に対する厳密な考え方は緩和されてきているのが実情でしょう。
ふく屋では新作振袖展を開催いたしております。このような意味を考え振袖選びをするとお着物や日本の伝統に対する愛着も益々沸いてくると思います。